Interview
長期的な視点をもって、所沢に面白いステージを提供する
所沢駅西口にある「プロペ通り商店街」を抜け、一本入るとそこは「うらトコ通り」。プロぺ通り商店街の賑わいとはまた少し違った雰囲気のこの通りには、カフェ、イタリアン、小料理屋などの個人飲食店や店舗が並ぶ。その通りにある一軒のアパート「ひかり荘」。武藤プランニング株式会社が手掛けるステージづくりは、ここから始まった。
創業以来三代にわたって挑戦する所沢の街づくり
創業当初から所沢エリアを中心に、主に不動産の賃貸・運営を行ってきた武藤プランニング株式会社。かつては、羽子板の製造も手掛けていたという祖父の代からこれまで、地域で「顔の見える関係づくり」を意識した事業を続けてきた。転機は先程の「ひかり荘」。元は法人に一括賃貸していたアパートだったが解約となり、その後の活用を模索していた最中に、「ひかり荘を借りたいという若者がいるんだけど…」という相談が舞い込む。そこで、1階部分にリノベーションを施し貸し出したところ、レトロ感が評判となり、その後2階部分のリノベーションに加え、外階段を新設し今に至っている。このような地域創生への取り組みが、後の「うらトコ通り」(一部では「コーヒーストリート」等とも呼ばれている)誕生に繋がっていった。
「原点は、ひかり荘。それ以前にも小規模なリノベーションを実施したことはありましたが、ここで何か大きく変わったなと感じています。正直、当初は「地域創生をする」などという強い志を持ってやっていたわけではありません(笑)。ただ、この通りを行き交う人の変化を実感できましたし、土地・建物の有効活用をするのであれば、この通りに来る方々に楽しんでもらえるようなものにしたいと考えるようになりました。10年前は、お店も少なく人通りも少なかったこの通りが、今では、親子連れはもちろん、さまざまな世代が行き交う通りになったことは、以前ではとても考えられないことです」と、武藤純一代表。街の声が自然と集まり、それに応えていくことで、個性が生まれ、通りが、街が、活気づく。それも、すべては顔の見える関係づくりを意識してきたからこそ。その後も不思議とご縁やタイミングが重なり合い、「うらトコ通り」は確実に変わっていったのである。
あえてのゆとりのある店舗づくりから生まれる交流
武藤プランニングが手がける物件は、ゆとりのある店構えが特徴だ。「建物一つとっても、人間と同じように、個性やちょっとした遊びが必要」と話す、武藤代表。建物も道路側いっぱいに建築するのではなく、あえて道路から少し引いた位置に建てることで空間ができる。そこに人が集い、イベントが企画されることで、交流が生まれる。一見無駄に見えるそんな空間が交流の場になっていく…。これからもそんなステージを提供していきたい。そして、そのステージで一人ひとりに活躍してほしい。昔から住む人たちの想いと新しいチャレンジをうまくつなぎ合わせることで、地域も活性していく。そんな喜びや楽しさを伝えていくことも、我々、武藤プランニング株式会社の仕事の一つだと考えている。
これまでも、これからも人とのご縁に感謝して
そんな当社の街づくりは、長期的な視点をもって、他と差別化を図りながら街に新たな付加価値をつけていくこと。この地域で何かやってみたい、そんなときに「武藤プランニングに聞いてみよう」と声をかけてもらえる存在でありたい。不動産業は、やはり人とのご縁。人と人との繋がりを大事にしてきたからこそ、今がある。我々は、これからも、地域の皆様にワクワクしてもらえるようなステージを創り、魅力ある暮らしやコミュニティづくりを応援していきたい、そんな風に考えています。
武藤プランニング株式会社
代表取締役 武藤 純一